2009年5月11日月曜日

抽斗をデザインする!



役に立たないもの、美しいと思わないものを、家に置いてはならない―とはウィリアム・モリスの言。 で、今回は抽斗のデザイン・バリエーションを考えてみました。 抽斗という機能を満たしつつかつ美しいと思えるデザイン。 バリエーションがありそうで、意外と難しいのです。 抽斗の形状が三角形や円形といったアプローチもあるのでしょうが、使い勝手を考えると?マークがついてしまいます。 ここは、オーソドックスなA4サイズ四角形といきましょう。 あとは、抽斗の前板、取っ手、箱のデザイン・バリエーションとなるのですが、"Think, out side of the box" (箱の外側を考えろ、ではなく、既成概念にとらわれないで考えてみろ、サラリーマンの頃よく言われた言葉です。) で、ここでは単純に箱の外形をデザインしてみることにしました。 テーマは、”宙に浮く抽斗”。


上の写真は、ロスアンゼルス空港のエンカウンターレストランの建物です。 2本のアーチで吊り下げられたような円形のレストラン。 今を去ること30年程前に、初めてアメリカへ渡航した際に、空港を出て真っ先に行った所が、このレストランでした。 サンドイッチを注文したのですが、あまりのボリュームに"Doggie bag please"と犬も飼っていないのに頼んだら、ウェイトレスのおばさんが残りのサンドイッチを厨房に持っていってしまったのです。 何か変なことを言ってしまったのかと、自分の英語が通じなかったことに、これからのアメリカでの生活を考え、非常に不安になってしまいました。 しょうがないと思い、チェックをしようと席を立ったところ、さっきのおばさんがトレーに銀色の風船のようなものを乗せて"Here you are!"と僕に渡してくれたのです。 なんとそれは、アルミホイルで作った白鳥の形をした"Doggie bag"だったのです。 なんて粋なんだろうと、30年たった今でも新鮮な思い出となりました。

そんな思い出がある、このレストランのイメージを、”宙に浮く抽斗”にしてみました。 本当は、抽斗を2本のアーチでぶら下げようかとも思ったのですが、 加工が大変なので却下。 アールがついた4本足と相成りました。 あともう何点かこのテーマで、作ってみようかと思っています。
ご購入いただいた、とっても物好きなご婦人、ありがとうございました。

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