2009年5月30日土曜日

朝日新聞社主催 「第7回 暮らしの中の木の椅子展」 募集延期だって!

先日、朝日新聞社名古屋支局から一通の封書が届きました。 中には、2010年開催予定だった「第7回 暮らしの中の木の椅子展」 募集延期となった旨を伝える1枚の文書が入っていました。 1998年に第1回を開催し以降2年毎に回を重ね、昨年第6回を開催した椅子好きにとっては、とても楽しみにしていた公募展でした。 先月には、同じく朝日新聞社主催の陶芸展も中止を伝えられ、ひょっとしたらと思っていたのでしたが、やはり「諸般の事情」には勝てませんでしたか。 手仕事のよさを伝える場が、今年に入って加速度をまして減少しているなという感を否めません。 一度中止してしまうと、こうしたイベントは再開するのは非常に難しいのでしょうね。 「諸般の事情」が好転し、「復活 幻になりかけた第7回」を実現できるよう、切に願う次第です。

2009年5月28日木曜日

ヘ音シリーズ その1 ”ヘ音時計”



突然ですが、音符記号中で好きな記号は何ですか? ト音記号?四分音符? 僕は、このヘ音記号が好きです。 フォルムとしては、日本や中国の意匠に、似たようなフォルムがあって親しみやすいのでしょうか。 御神輿の屋根の端っこにある部分(蕨手というらしい)などにもヘ音記号のデザインがあります。
蕨手です。
野草の蕨の葉がまだ開かない若芽の形に似ていることから蕨手という名称が付けられたそうです。

今回は、このヘ音記号の形状を時計にしてみました。 タモ材で仕上げは、It's mine・イッツマインが得意とする柿渋・オイル仕上げで、アンティークの風合いを感じられるような仕上げになっています。
このフォルムで少し遊んでみようかと思っています。

2009年5月27日水曜日

ワインラックはいかがですか?



8月に展示会の開催を予定(後ほど詳しく紹介します)していて、またその後9月、10月といろいろなフェアに出展する都合で、小物を作りためないというトラウマに駆られています。 椅子や、テーブルなどの作品は、そんなに数が多くなくても存在感を出せるのですが、小物は数とバリエーションが多くないと面白くないのです。 木工家の3大小物、①フォトフレーム&額縁②木匙③木皿と相場が決まっていて、それぞれ意匠を凝らした製品を作っているのですが、It’s mine・イッツマインとしてはどうもしっくりこない。 ここは、他とは違うアプローチをしなければ、ということでワインラックです。 小物の材料は基本的には、端材(製品加工時のあまりの材料)を有効利用を考えなければならないのですが、これがどうして、どうして。 製材してある材料から作るほうが、はるかに楽なのです。 とはいえ、こうした端材も使ってあげなければ、冬場の薪ストーブの燃料となるだけの運命ですから、なんとか生きる道を与えてあげなければと、これはこれで悩みの種となってしまうのです。 端材談義はこのくらいにして、この端材から生まれたワインラック、デザイン的にはどこかで見たことがあるような気がしませんか? 実は、日本刀の刀架けからヒントをもらいました。 刀の上に、ワインボトルが乗っているようなイメージです。 耳付板のナチュラルなフォルムを活かしたワインラックです。 おひとついかがですか?

2009年5月26日火曜日

クラフトフェアを考える

毎月全国のどこかで開催されているクラフトフェア。 当地での開催を毎年楽しみにしている手づくり品愛好の方にとっては、木工、陶芸、染色、シルバーアクセサリーなどの工房が一同に会する、またとない機会となっていることと思います。 今年の出展スケジュールを考えながら、クラフトフェアのHPを覗いていると、第2回、3回といった始めて間もないフェアが増えていると同時に、昨年まで開催されていたフェアが「諸般の事情により今年は中止」といったコメントもちらほら。 多くのフェアが、地元商工会やクラフトマン/ウーマンの方々のボランティアによって運営されている事を考えると、如何ともしがたい状況になっているのは想像に難くないことですね。 みなさん本業を抱えながら、関係各所との交渉、媒体作成、告知広報活動、運営と、どれをとっても片手間仕事で片付かないような事ばかり。 しかし、しかし、作り手の顔が見え、作り手とお客さんとの大事なコミュニケーションの場であるクラフトフェアを、続けていってほしいものです。 と、実行委員のお手伝いもしていない僕がいうのは、反則ですよね。

2009年5月21日木曜日

スパルテッド・ビーチ(Spalted birch)の小キャビネット




スパルテッド・ビーチを、It's mineテイストでアレンジした小キャビネットです。 ブックマッチの鏡板としてアレンジしました。 全体のフォルムは「宙に浮くxx」シリーズで、4本の脚に側面を支えられたキャビネットです。 これって、完全に一点物なんですよね。 同じような模様の板材が無いのですから。
好き嫌いもハッキリと分かれる作品でもあります。 置き場所に悩みそうです。 それこそ、家のインテリアのなかで「浮いた」存在になるかもしれませんね。 8月か9月の展示会でお披露目します。 それまで、じっくりとオイルを乾燥させます。

2009年5月19日火曜日

スパルテッド・ビーチ(Spalted birch)のワイン・ホルダー

スパルテッド・ビーチで、ワイン・ホルダーを作ってみました。 何でワイン・ホルダーかって? いや、実は、材の歩留まりが非常に悪かったのです、この木は。 丸太から製材したのですが、いたるところにヒビや割れがあって、どうにもこうにも使える部分が少ない。 で、結果このようなサイズになってしまったのです。



でもちょっと、味のあるワイン・ホルダーになりました。 年内開催のクラフトフェアで販売予定です。 ただし数量が少ないため、売り切れの時は悪しからず。

2009年5月14日木曜日

スパルテッド・ビーチ(Spalted birch)

木は、不規則な曲線模様の木目がきれいに出ている板目や、直線状の縞模様の木目の柾目といった表情を持っていますが、時として黒く変色した木目を持つ木もあります。 要因としては、立ち木のときにカビに汚染されたり、倒木となってから土中の腐朽菌に侵されたり、また石灰成分によって化学的に発色(神代杉など)することがあげられます。

今回はそういった木の中から、スパルテッド・ビーチ(変色したブナ)と黒柿を入手しました。
                  
スパルテッド・ビーチ   


黒柿

黒柿は、和家具、とりわけ指物の分野では珍重されていて、かって教えていただいた建具の巨匠は黒柿だけでもかなりな量の材料をストックしていることを誇りにしていました。
It's mineでは、指物は得意としていませんので、洋物でのアプローチを検討しています。 どういう製品になるかお楽しみに。

2009年5月11日月曜日

抽斗をデザインする!



役に立たないもの、美しいと思わないものを、家に置いてはならない―とはウィリアム・モリスの言。 で、今回は抽斗のデザイン・バリエーションを考えてみました。 抽斗という機能を満たしつつかつ美しいと思えるデザイン。 バリエーションがありそうで、意外と難しいのです。 抽斗の形状が三角形や円形といったアプローチもあるのでしょうが、使い勝手を考えると?マークがついてしまいます。 ここは、オーソドックスなA4サイズ四角形といきましょう。 あとは、抽斗の前板、取っ手、箱のデザイン・バリエーションとなるのですが、"Think, out side of the box" (箱の外側を考えろ、ではなく、既成概念にとらわれないで考えてみろ、サラリーマンの頃よく言われた言葉です。) で、ここでは単純に箱の外形をデザインしてみることにしました。 テーマは、”宙に浮く抽斗”。


上の写真は、ロスアンゼルス空港のエンカウンターレストランの建物です。 2本のアーチで吊り下げられたような円形のレストラン。 今を去ること30年程前に、初めてアメリカへ渡航した際に、空港を出て真っ先に行った所が、このレストランでした。 サンドイッチを注文したのですが、あまりのボリュームに"Doggie bag please"と犬も飼っていないのに頼んだら、ウェイトレスのおばさんが残りのサンドイッチを厨房に持っていってしまったのです。 何か変なことを言ってしまったのかと、自分の英語が通じなかったことに、これからのアメリカでの生活を考え、非常に不安になってしまいました。 しょうがないと思い、チェックをしようと席を立ったところ、さっきのおばさんがトレーに銀色の風船のようなものを乗せて"Here you are!"と僕に渡してくれたのです。 なんとそれは、アルミホイルで作った白鳥の形をした"Doggie bag"だったのです。 なんて粋なんだろうと、30年たった今でも新鮮な思い出となりました。

そんな思い出がある、このレストランのイメージを、”宙に浮く抽斗”にしてみました。 本当は、抽斗を2本のアーチでぶら下げようかとも思ったのですが、 加工が大変なので却下。 アールがついた4本足と相成りました。 あともう何点かこのテーマで、作ってみようかと思っています。
ご購入いただいた、とっても物好きなご婦人、ありがとうございました。

2009年5月3日日曜日

親子木工教室 in 住宅展示場

昨日は、いい天気でした。 住宅展示場のGWイベントで、親子木工教室を開催しました。 心配していた、怪我もなく、多くの親子の方々に木工体験をしていただきました。 写真が少ないじゃないかって? そうなんです。 おむすびスツールの制作が終わった後に、焼きペンでメモリアル刻印をしたのですが、子供達が意外と多くの絵を書いてくれるもんですから、刻印の作業が追いつかない状況になってしまったのです。 結局最後のお子さんの写真だけになってしまいました。



一家で一脚の予定だったのですが、兄弟姉妹で来場されると、どうしても妹や弟の分はできませんか?とお願いされてしまい、ここは主催者の好意でOKとなったのはいいのですが、小学生はまだしも、幼稚園児に作ってもらうのは、至難の業。 常に怪我をしないかと、ハラハラしながら、お父さんお母さん総動員で手伝ってもらいました。 木工の楽しさに目覚めた君たち、大きくなったら、It's mineの木工教室に来てね。