2008年11月29日土曜日

FMチャッピー 生出演しました!

今日は夕方5時から、入間・所沢・狭山のコミュニティ放送局であるFM チャッピーの番組「くらし経済塾」の「この人に聞け!」コーナーに生出演しました。 パーソナリティはこの道?年の安田 佳代さん。
番組前に、ちょっとした打ち合わせを兼ねて雑談をしていたのですが、ON AIRの午後5時からカチャと音がして(そんな気がしました)、DJモードにすっと入っていったのには、ややびっくり。 オープニングのエルトン・ジョンの懐かしいクロコダイル・ロックの曲中、その話をしたら、安田さん曰く「なんかスタジオにいると降りてくるんです。」 おお、安田さんは、その筋の人でしたか、なんてね。

ON AIR中は、25年間のサラリーマン経験や、It's mine開業までの経緯なんかを話させていただいたのですが、あっという間に時間切れという感じでした。 もっと家具や音楽の話もしたかったなと、思いつつ初めてのラジオ出演、楽しく過ごさせてもらいました。


パーソナリティの安田さん。

実は、サラリーマン時代に安田さんと同姓同名の同僚がいて、「お佳代」と呼んでいたのですが、思わず「お佳代」と呼びそうになりました。
一人で選曲からQue出しまでこなし、道路情報はパソコン画面を見ながら実況案内と、実にスムーズにこなしていたのが印象的でした。 スタジオに入ると、高校時代に放送部に籍を置き(あと剣道部と物理部にも在籍)、昼休みのDJとラジオ・ドラマを作っていた頃や、その後小林 克也さんの番組や当時のFEN(今のAFN)にもおしかけ見学した頃を懐かしく思いだしました。 そういえば、あの頃はDJにもなりたいと思った時もあったなと。


番組終了後の2ショット。

番組出演のきっかけを作ってくれた、飯能のHさん、あっちゃん、ありがとう。
「お佳代」、お疲れ様でした。 これからも、70年代、80年代のいい曲聞かせてください。 応援してます。

ON AIR音声はこちらから

2008年11月26日水曜日

トリプル・マイター・ジョイントとは?

It's mineでは、木組みの家具を作っているのですが、木と木を組み合わせる組み手・仕口にはいろいろな種類があって、要所要所で使い分ける必要があります。 代表的な組み手・仕口に、ホゾ組、蟻組があります。 また、ビスケットやダボといった木製パーツを使った木組みも組み手・仕口の一種と解釈してもいいでしょう。 そういった仕口の一種で、トリプル・マイター・ジョイント(三方留接ぎ)という組み手があります。 これは、加工部分にホゾとホゾ穴の2つの機能を持ったちょっと特殊な組み手・仕口です。
和家具の花代や、テーブルのコーナー部分、変わったところでは某音響メーカーのスピーカーが「総三方留接ぎ」で組まれているとか、見た目の格好良さと強度を併せ持った組み手です。

トリプル・マイター・ジョイントの加工部分

このトリプル・マイター・ジョイントの加工プロセスを紹介します。



所定のサイズに加工した角材に、基準面となる45度のカットをスライド丸のこで加工します。




次に、テーブルソーでホゾ部分のカット加工をします。




ホゾ穴を角のみで加工して、余分な部分をスライド丸のこでカットします。




さらに、45度の留加工部分をスライド丸のこでカットすると、右上のような仕口に加工されます。



ホゾのサイズ調整をバンドソーで加工して、出来上がりです。 同じ加工を、コーナーを構成する3本の角材に行います。



加工が終わった角材を3本組み合わせます。




トリプル・マイター・ジョイントの完成です。 きれいな仕口ですね。

この組み手・仕口を使って、どんな作品ができるか楽しみです。

2008年11月22日土曜日

国際木工機械展・インテリア総合見本市

飯能の家具工房で木工修行中の島ちゃんに誘われて、ビッグサイトで、開催された国際木工機械展とインテリア総合見本市へ行ってきました。  
 
木工機械展では、各社大型のNCルーターや、レーザー加工機の展示が目立つ中、Sawstop社のテーブルソーがありました。 このテーブルソーは、非常に安全面に優れたマシンで、人の指がテーブルソーの刃に触れた瞬間にブレードが止まるという優れものです。 衝撃的なデモ動画(http://www.sawstop.com)を見てみてください。
一度ブレードが止まると、ブレーキユニットとブレードの交換が必要で、交換費用は約2万円。 指をなくすよりは安いとは、営業担当の方のコメントでした。 そうなんですよね木工業界では、テーブルソーや手押しカンナで指を1本落とした、4本落としたという事故の話をよく耳にします。 こういうマシンが広く普及すると、事故も防げるのでしょうが。 ちなみに、私の工房では、機械加工の際材料を直接手で触れないようにプッシュバー、プッシュブロック、フェザーボードといった道具を使って安全面に配慮しています。

ドイツのFestool社の新製品、バキューム・クランプ・システムも展示していました。 簡単に言うと、掃除機の吸引力で材を固定するということなんでしょうけど、その固定力がすごい。 任意の角度で固定でき、垂直固定状態で60Kg, 水平固定状態で100Kgの保持力だそうで、これならテーブル天板のエッジトリミングなんかの作業でも楽に使えそうです。 ルーター作業時に材を固定するクランプが邪魔になることがありますが、これならその心配もないんですよね。 ほしいなと思ったツールでした。

Festoolのバキューム・クランプ


インテリア総合見本市は、これまで開催されていた、国際家具見本市や、インテリア関連国際見本市、にっぽんらいふ などが一同に会した、「これを見れば日本の家具・インテリア業界がわかる」的な催しでした。 日本の代表的な家具産地(府中、大川、旭川、徳島etc)の共同ブース、有名家具メーカーの出展の中で、気になる展示がありました。

ひとつは、kitokiというブランドで、府中と大川の家具メーカー4社が産地を越えた提携でデザイナーズ家具を制作・販売しているブースです。 小泉 誠さんと関 洋さんという売れっ子の2名のデザインによる家具を、アメリカ広葉樹を使って制作しているそうです。 小泉さんといえば、これまでも古材をフィーチャーしたカギロイ・ブランドや、桜製作所の家具でもそのデザインが広く市場でも認知されている方ですが、さらにそのデザインが日本で広がる感じです。

kitokiブランドのテーブル

と思っていたら、別のブースでもデザインby小泉を発見しました。 miyakonjo productの製品です。 このブランドは、宮崎県都城地区の2社が共同で立ち上げたブランドで、やはり小泉 誠さんデザインの家具を制作・販売しているとのことです。

miyakonjo productのテーブル

トレンドとして、①複数の家具メーカーが共同でデザイナーズ・ブランドを立ち上げる。②小泉 誠さんデザインが結構多い。 の2点が見て取れます。 家具業界が厳しい状況にある中、こういった流れが広まっていくんでしょうかね。

2008年11月16日日曜日

TV用サイドボード

家具のデザインを考える過程で、ラフスケッチやCADで作成した3Dモデルを見ながらここをこうしよう、ああしようと検討するのも一考なんですが、一番わかりやすいのがミニチュアを前にして考えることです。 手間はかかりますが、例えば質感は、3Dモデルに貼り付けた木材のテクスチャ(簡単に言えば木材表面の写真)ではつかみきれない全体の感触をイメージしやすくなります。 また、各パーツのバランスや、接合部分のシュミレーションなんかも、ミニチュアで検討すると非常に参考になります。
ということで、今回はTV用サイドボードの製作過程を、デザイン検討段階で作成したミニチュアも含めてご紹介します。



両サイドに2本の脚を立て、天板がサイドに張り出した、やや重厚感のあるデザインです。 柿渋とオスモ・オイルの2種類の仕上げで検討してみました。 木材は、タモを使用。



上の左のモデルは、天板はそのままで、両サイドの2本の脚を、4本脚にしてみました。 また、右は天板を側板と同じサイズに収め、シンプルな4本足のデザインです。こういったミニチュアをお客様にお見せすると、いろいろとイメージが膨らんでくるようで、最終決定したのが、次のモデルです。



すっきりとしたシンプルなデザインで、木材は前扉部分にチーク、本体はタモを選択されました。 また、4本脚は、テーパー(斜め加工)をかけた楕円形、サイズは本体に収納するDVDプレーヤーや、ケーブルTVチューナー、オーディオセットに合わせ、やや縦長のサイズになりました。 どこか、昔のステレオを思い出させるようなデザインです。




天板・底板・側板をビスケット・ジョイントで接ぎ合わせます。 天板・底板と仕切り板も、ビスケット・ジョイントで接合します。



側板と天板は、隠しアリ組みで、仕口をアクセントとしてみました。 組み上げてみると、どうでしょう、上のミニチュアと寸分たがわぬ出来映えになっていませんか? ミニチュアが作れれば、本物は作れる、ミニチュアが作れなければ、本物は作れないを実践してみました。
仕上げ後の完成品は、ホームページのGalleryでご覧ください。

椅子・Chairを作る

今日は、It's mineでの椅子作りのプロセスをちょっと紹介します。 家具の中でも、人間の体に直接触れる椅子は、無垢の木の感触をもっとも楽しむことができます。 別の見方をすれば、アームチェアであれば肘掛や、腰や背中が接する背板部分、お尻が接する座板は、体にフィットするような曲線や、滑らかな手触りを実現しなければ、座り心地の良い椅子とは言えないということです。 
椅子作りのプロセスは、
①座板の板剥ぎ
②座ぐり
③前後脚、前後横貫などのパーツ加工
④背板の加工
⑤組み立て
⑥仕上げ

といった工程です。


   座板の板剥ぎ           座ぐりの道具

座板の板剥ぎは、ビスケット・ジョイントという方法で、板の反りが出ないように木裏・木表の組み合わせに注意しながら、クランプや、反り防止バーを使って接着します。

板剥ぎが完了すると、次は座ぐりという作業をします。 これは、座板にお尻のカーブに沿うような曲線を、四方反りカンナ、インシェーブ(Inshave)、ドローナイフといった道具を使って、かなりアナログな作業で切削します。



途中何度も曲線を確かめながら、切削していきます。 これが結構時間がかかるんです。



前後脚、前後横貫などのパーツ加工は、テーブルソーや、バンドソー、角のみなどの機械を使用します。 材を直角に加工するだけならそんなに難しい作業ではないのですが、角度をつける加工なんかには、いろいろなジグと呼ばれる、機械加工を補助する道具を使って作業をします。 こういった、ジグについては別途ご紹介します。



パーツ加工が終了すると、仮組みをして接合部などの細かな調整をして、面取り、サンディング、仕上げの工程へと進んでいきます。
仕上げについては、これも別途ご紹介したいと思います。

2008年11月3日月曜日

Design Tide Tokyo 2008

昨日は友人のMさんに誘われて、六本木のミッドタウンをメイン会場として開催されていた、Design Tide Tokyo 2008 へ脚を運びました。 六本木といえば、以前はもっぱら日が暮れてネオンの色が鮮やかな時間に脚を運び、街のイメージもクラブ、ライブハウス、食事といった言葉に形容されていたように思うのですが。 昨年からはミッドタウンや新国立美術館のオープンに伴って、”アート”や”デザイン”といった言葉がふさわしい街になってきたようです。 今年で4回目とのことだが、外苑で開催されているデザイナーズ・ウィークよりは、混雑していないのではないかという軽い気持で、来てみたのですが.....。
ガラリエ1Fの入り口(公園側)を入ったところに、いきなりありました。 そう、倉俣史朗のあの作品が。 

これです。 ”How high the moon"。 エキスパンド・メタルを使った、フレームのない構造のソファ。 雑誌で目にしたことはあっても、本物を見るのは初めて。 他にも、岡本太郎作のソファや、柳宋理のバタフライチェアやアームチェア、隈研吾のアクリルのテーブルなどが並べられ、これらがオークションの対象となっていました。
ちなみに、”How high the moon"の入札価格帯は、なんと5,000,000~7,000,000となっていました。 隣で見ていた人が”一桁違うんじゃない”とつぶやいていましたが、倉俣史郎のアクリルの椅子”Miss Branche"が20年前に¥2,000,000だったことを考えると、そんな値段になってしまうのかと、妙に納得したりもするのだが。 いずれにしても、It's mine・イッツマインで制作している無垢の木の家具とは同じ次元で考えることはしないほうがいい、いやそんなおこがましいことは言えない思いを強くした作品でした。 イヤー、いいものを見せてもらった。

会場に出展しているデザイナーは、総じて若い世代の人たちが多く、意欲的な作品を展示していました。 その中で、先ほどの倉俣史朗のアクリルの椅子”Miss Branche"をイメージさせる作品を見つけました。 フランスのエマニュエル・ムホーさんの作品で”stick chair".

もう東京に10年以上住んでいるそうで、日本語がペラペラなチャーミングなお嬢さんでした。 ”ちゃんと座れて、¥3,000,000”になるといいな、とおっしゃってました。

どうも今日は、金銭感覚麻痺というか物の値段が超インフレ状態という感じでした。