2008年11月16日日曜日

TV用サイドボード

家具のデザインを考える過程で、ラフスケッチやCADで作成した3Dモデルを見ながらここをこうしよう、ああしようと検討するのも一考なんですが、一番わかりやすいのがミニチュアを前にして考えることです。 手間はかかりますが、例えば質感は、3Dモデルに貼り付けた木材のテクスチャ(簡単に言えば木材表面の写真)ではつかみきれない全体の感触をイメージしやすくなります。 また、各パーツのバランスや、接合部分のシュミレーションなんかも、ミニチュアで検討すると非常に参考になります。
ということで、今回はTV用サイドボードの製作過程を、デザイン検討段階で作成したミニチュアも含めてご紹介します。



両サイドに2本の脚を立て、天板がサイドに張り出した、やや重厚感のあるデザインです。 柿渋とオスモ・オイルの2種類の仕上げで検討してみました。 木材は、タモを使用。



上の左のモデルは、天板はそのままで、両サイドの2本の脚を、4本脚にしてみました。 また、右は天板を側板と同じサイズに収め、シンプルな4本足のデザインです。こういったミニチュアをお客様にお見せすると、いろいろとイメージが膨らんでくるようで、最終決定したのが、次のモデルです。



すっきりとしたシンプルなデザインで、木材は前扉部分にチーク、本体はタモを選択されました。 また、4本脚は、テーパー(斜め加工)をかけた楕円形、サイズは本体に収納するDVDプレーヤーや、ケーブルTVチューナー、オーディオセットに合わせ、やや縦長のサイズになりました。 どこか、昔のステレオを思い出させるようなデザインです。




天板・底板・側板をビスケット・ジョイントで接ぎ合わせます。 天板・底板と仕切り板も、ビスケット・ジョイントで接合します。



側板と天板は、隠しアリ組みで、仕口をアクセントとしてみました。 組み上げてみると、どうでしょう、上のミニチュアと寸分たがわぬ出来映えになっていませんか? ミニチュアが作れれば、本物は作れる、ミニチュアが作れなければ、本物は作れないを実践してみました。
仕上げ後の完成品は、ホームページのGalleryでご覧ください。

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